成果報酬型・成功報酬型のメリット・デメリット
公開|2018.07.30
最終更新|2018.08.03
成果報酬型と成功報酬型の違いとそれぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
Contents
はじめに:知識不足がリスクに? メリット・デメリットを理解しよう
「成果報酬型」あるいは「成功報酬型」というサービス形態をご存じでしょうか? 成果報酬型・成功報酬型ともにイニシャルコストがかからず、成果に対して課金されるので初期の投資リスクを抑えられるのが特徴です。この点が、契約期間に応じて報酬額が決まる「固定報酬型」や作業時間に応じて報酬額が決まる「時間報酬型」などとの大きな違いでもあります。
代表的なものとしては、クリックされたときに初めて広告料が発生するリスティング広告があります。ビジネスで最も重要な「結果」に焦点を当てた手法として、さまざまなサービスで導入されることが増えてきています。
しかしこれらのサービス形態にも、デメリットやリスクがあることはあまり認識されていません。デメリットを無視したまま断片的な知識を元に判断を進めてしまえば、思わぬ落とし穴にはまってしまう恐れもあります。
今回は「成果報酬型」および「成功報酬型」におけるメリット・デメリットについて紹介します。これらの契約形態が貴社に合っているか、どちらが向いているかを考える上でぜひ参考にしてみてください。
成果報酬型と成功報酬型の違い
「成果報酬」と「成功報酬」は一見、同じ意味を持つ言葉のように思えますが、実は支払いルールに違いがあります。
成果報酬型:実際の結果に応じてお支払い
成果報酬型は、達成した成果の大きさに応じて報酬額が確定する契約形態です。
契約開始時点では実際に支払い額がいくらになるのか分かりません。
成功報酬型:目標達成した場合のみお支払い
成功報酬型はあらかじめ定めた目標を達成した場合のみ報酬を支払う契約形態です。
ですから目標を達成しなかった場合は原則費用は発生しません。
報酬発生の対象となる成果や、その定義はサービス・企業によってさまざまです。目標に合わせて「売上額◯◯万円」といった達成すべき成果を定義し、それを踏まえたお支払いルールを決定します。「成果報酬型」は成果が出るにつれて段階的に、「成功報酬型」は定義した成果まで到達したときに費用が発生するため、どちらもコストの把握がしやすいといえます。
・資料請求数
・アクセス数/PV数
・購入率向上
・セミナー/イベント参加者数
・業務効率化
・電話問い合わせ削減
・指名検索数UP …etc
・売上増加分の◯%
・1アクセス◯◯円
・1CV◯◯円 …etc
<成功報酬型>
・売上20%UP達成時に◯◯円
・未達で全額返金 …etc
成果報酬型のメリット・デメリット
メリット:費用対効果が高い・予算化のハードルが下がる
成果報酬型のメリットは2つあります。
・成果に見合った報酬を支払えばよく、失敗しても損をしにくい
成果がどのくらい出るかわからないのに、始める前から支払額が決まっているのはリスクに感じるかもしれません。成果報酬型では成果の量・大きさに応じて報酬額が決まるため、もし最終的に成果が思うように出なかった場合でも大きな損をしません。
・初期コストを抑えて導入できる
Webやマーケティングにかける予算が限られていると、なかなか新しい施策や改善に投資できず「やりたいこと・やらなくてはならないことがあるのに何もできていない」状態になりがちです。成果報酬型であれば初期コストを抑えることができ、いきなり多額の予算を確保する必要はありません。また費用対効果が明確になることも相乗して予算化のハードルが低くなり、導入までの社内調整を円滑に進めやすくなります。
デメリット:報酬額が変動する・常に機械的に費用が発生する
対して成果報酬型のデメリットは2つあります。
・成果の大きさに応じて後から報酬額が変動する
予想以上の成果が出た場合、その分報酬額も増大します。成果が増えれば売上額も比例する関係であれば問題ありませんが、「売上になるまでのタイムラグ」や「予算不足になる可能性」についてはあらかじめ対策をしておく必要があります。
・成果の質が悪くても機械的に費用が発生する
例えば「お問合せ(CV)1件につき◯◯円」の成果定義で多くのお問合せを獲得した場合、確度の低い内容やターゲット外からの問合せがあったとしても、報酬は機械的に発生します。
成果の質といった「定性的」なものを成果定義にしてしまうと、基準が曖昧なことからトラブルになりかねないため、目標としては好ましくありません。定量的に数値で判断できるものを成果定義とする必要があります。つまり、必ずしも成果の質まで「保証」をされる訳ではないことに注意しましょう。
向いているタイプ:予算が少ない・専任担当者を置けない
成果報酬型に向いているのは以下のようなタイプです。
・中小企業で予算がなかなかとれない
中小企業の場合、そもそもWebやマーケティングにかける予算に限りがある企業が多く、担当者のバイタリティがあっても実現に至っていないケースがよく見られます。成果報酬型であれば費用対効果が明白で少額から始められるので、これまで首を縦に振らなかった上司に対しても説得しやすくなります。
・社内にWebやマーケティング担当を置けない
例えばWebやマーケティングに関する知識のある人材を採用する場合、都内であれば最低でも年収400万以上の方が対象になります。経験者であっても、貴社組織文化や日常ルールに慣れ一人でWebサイトの施策を回せるようになるには時間がかかります。
成果報酬型で外注をすれば、すぐに高い費用対効果を発揮することが可能です。
成功報酬型のメリット・デメリット
メリット:失敗リスクが最小化される・予算を確保しやすい
次に、成功報酬型のメリットは2つあります。
・失敗リスクを最小化できる
成果報酬型では成果に応じて費用が必ず発生するのに対し、成功報酬型では目標を達成しなければ原則費用が発生しないため失敗リスクを最大限に抑えることができます。
・報酬額があらかじめ決められているため予算取りしやすい
成果報酬型では結果次第で報酬額に変動がありますが、成功報酬型では契約時にあらかじめ報酬額が確定されています。報酬額があらかじめ決められていれば予算が確保しやすい上、後になって予算不足の心配をする必要はありません。
デメリット:報酬額が割高になる・ビジネス上不向きなことがある
成功報酬型のデメリットは2つあります。
・成果報酬型に比べて割高になりがち
成功報酬型は請負う業者側にもリスクがあるため、報酬額が通常より割高に設定されている場合がほとんどです。報酬額は目標の達成難易度によって設定されます。目標を達成すれば利益から支払える額ですが、費用対効果の面では、成果報酬型に劣ります。費用対効果の最大化よりも「必ず目標に達成すること」に焦点を当てている場合に有効です。
・ビジネスモデルによってはマッチしない場合がある
例えば貴社の商品やサービスにおいてコモディティ化が起こり、創意工夫が困難な場合には、成功報酬型での発注は難しいでしょう。また成果報酬型での解説でも述べましたが、達成したい目標は定量的に計測できるものでなければなりません。
そのため契約前に業者側ではヒアリングや調査を行い、成功報酬型での契約が可能かどうか判断します。必ずしも希望通りの条件で契約できるものではなく両社間での擦り合わせが必要であることを覚えておきましょう。
向いているタイプ:大きな目標がある・参入リスクを回避したい
それでは、成功報酬型に向いているのは、どのようなケースか見ていきましょう。
・大きな目標に対し何をどうすれば良いかわからない
成功報酬型は報酬額が例え割高であっても「目標を達成することが重要」である場合に適しています。
「大きな目標があるが自分達では何をどうすれば良いかわからない」
「色々な施策をこれまでやってきたけど何をやっても上手くいかない」
といったように「頭打ち」になっている状態でしたら目標達成を約束してくれる成功報酬型が良いでしょう。
・ネットへの参入リスクを減らしたい
初期に多額な投資をして、もしも事業が不調に終わった場合損失が発生します。成功報酬型では目標に到達しなかった場合費用は発生しないため、そのリスクを回避することが可能です。また事業を始めるにあたって初期コストがかからないため、その分余裕を持って事業を切り回すことができます。
おわりに:正しい知識を身に付けて成果報酬型・成功報酬型を選ぼう!
成果報酬型・成功報酬型のそれぞれのメリット・デメリットについてご理解いただけたでしょうか?
成果報酬型は「高い費用対効果がある」「予算化のハードルが低い」ことがメリットとして挙げられますが、「報酬額が変動する」「機械的に費用が発生する」ことがデメリットとしてあります。
対して成功報酬型は「失敗リスクが最小化される」「予算を確保しやすい」面でメリットがありますが「報酬額が割高」「請け合いの条件がある」というデメリットも理解しておきましょう。
貴社においてどの契約形態が適しているでしょうか? 成果や目標を達成するために正しい知識を身に付けて選びましょう。
- 成果・目標となる項目の例
- お支払いルールの例
・初期コストを抑えて導入できる
・報酬額があらかじめ決められているため予算取りしやすい
・成果の質が悪くても一律で費用が発生する
・ビジネスモデルによってはマッチしない場合がある
・社内にWebやマーケティング担当を置けない
・ネットへの参入リスクを減らしたい
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売上額、問い合わせ数、顧客対応時間の削減など、「成果」はビジネス上の課題に応じて設定し、その達成に向けた施策を行います。
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