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始める前に要注意!オウンドメディア初心者が陥りやすい失敗パターンと成功へのヒント

公開|2018.07.30

最終更新|2018.08.03

最近注目のオウンドメディア。中途半端な知識で火傷しないように失敗パターンを事前に学んでおきましょう。

はじめに:オウンドメディアは「究極の施策」

インターネットの発展に伴い、これまで新聞やテレビといったマスメディアがほぼ独占してきた「不特定多数に向けた情報の発信」という営みを多くの私企業や個人ができるようになりました。
オウンドメディアはその中で生まれた概念であり、従来のような「企業が費用を払って情報を発信してもらうメディア(ペイドメディア)」に対して「企業自身が所有・運営するメディア」として位置付けられています(※)。
オウンドメディアは単純に自社の情報発信能力を強化するだけでなく、コンテンツの内容による顧客のフィルタリング・ナーチャリングや、競合に対する独自の市場ポジションの獲得など多くの成果をもたらすため、「究極の施策」とも言われています。

ここ数年、日本においてもプッシュ型一辺倒のセールスからプル型手法を取り込んだマーケティングへと徐々に営業スタイルの変化が見られるようになり、コンテンツを活かしたマーケティングへの注目が高まってきました。それに伴い多くの企業がオウンドメディア施策に取り組むようになってきています。
しかし大きな成功を見せる事例がある一方、思うような成果につながらず細々と続けているだけになったり、完全に手を引いてしまったりというケースも多いです。

多くの投資をして開始しただろうせっかくのオウンドメディア施策は、なぜこうも失敗してしまうのでしょうか?
失敗の事例を詳細に検討すると、いくつかのパターンが浮かび上がってきます。

本記事ではオウンドメディア施策の「よくある失敗パターン」を分析し、落とし穴を回避して成功につなげるためのヒントを紹介します。

※これに「第三者が運営し、当該企業の評判を獲得するようなメディア(アーンドメディア)」を合わせて「トリプルメディア広告」「POEM広告(Paid, Owned, Earned Media)」などと呼ばれています。

失敗パターン①:メディアの目的が曖昧なままでの走り出し

オウンドメディアに限らず、ビジネスの施策には明確な目的と目標、それらを実現するための戦略が必要です。
しかし目新しい施策、流行の施策になるほど、こうした部分をしっかりと検討しないまま「とりあえずやってみよう」と見切り発車してしまうことが多くなります。

Web系の施策においてフットワークの軽さは本来褒められるべきことですが、行き先もわからないままにやみくもに走り出してしまっては、きちんと取り組んでいれば得られたであろう成果も逃すことになってしまいます。
次のようなポイントを確認し、最低限の重要なところを抑えられているかを確認してから本格的に動き出すようにしましょう。

ポイント1:オウンドメディア開設の目的はなにか?

オウンドメディアにも「ブランディング型」や「コミュニティ型」など目的別にさまざまなタイプがあります。
オウンドメディアへの取り組みを通じて自社ビジネスにどのような効果をもたらしたいのか。施策の方針や成果を評価する基準となるオウンドメディアのコンセプトを定めましょう。

ポイント2:目的達成のためのKPIは何か?

KPIについても目的に合わせたものを適切に設定しなければいけません。
中間目標としてのKPI設定がなければ目的達成のためにどのような施策を打てばよいのかもわからず、霧の中で右往左往することになってしまいます。
またKPIをおいたとしても、それが全体の目的に対して適切でなければ、いくらそれを達成したとしても成果につなげることはできません。
行動の指針となる指標を選定し、目標値を決めましょう。

ポイント3:目的達成までのタイムフレームはどれくらいか?

目的やKPIを設定したならば、それを達成するのにどれくらいの期間が必要になるかも同時に考えておきましょう。
オウンドメディアは大掛かりな施策であり、期待できる成果に比例して収穫までの期間も長くなってしまいます。
同じPV数の達成目標だとしても、一ヶ月後に達成するのと一年後に達成するのでは難度が大きく異なります。実現性のあるスケジュール感になっているかを確認しましょう。

「自分ごと」への落とし込みが「全社一丸」を生む

走り出す前に押さえておくべきポイントを3つ紹介しましたが、最も重要なことはこれらの決めごとを社内外の関係者(ステークホルダー)の間でしっかり共有し、全員が同じ方向を向いて動けるようにすることです。
仮に要点を決めていたとしても、それが一部の人の中にとどまり共有認識として持てていなければ意味がありません。

特にポイント1「オウンドメディア開設の目的」を噛み砕き、各関係者にとって「オウンドメディアの成功が『自分たち』にはどのような変化、メリットをもたらすのか」を納得してもらうことが大切です。
最終的に自分たちにとってどのような利益があるのかわかるようになれば、それぞれの本業で忙しいであろう営業部や生産現場などとの連携もスムーズに進むようになることでしょう。

月並みな言葉ですが、「全社一丸となった取り組み」が成功を左右するのです。

成功へのヒント①:オウンドメディア開設の目的や基本戦略を明確に定め、関係者の中できちんと共有する

タイプ別オウンドメディアの特徴

  • ブランディング型
  • 製品選択レベル引き上げ型
  • コミュニティ型
  • SEO特化型
目的
一般ユーザー間での存在感を高め、マインドシェアやブランド愛着度を高める
商品に関する詳しい情報を提供し、競合との違いを明確にした上での選択を促す
コンテンツを媒介にユーザー同士のコミュニティ形成を促し、多くのユーザーを集める
多様な検索ニーズに応えるコンテンツを元に圧倒的なPVを獲得し、ユーザーの行動情報を収集する
主なKPI
PV、SNS拡散
PV、問い合わせ件数
利用ユーザー数
PV、検索流入数
代表的なコンテンツ
インタビュー、対談、コラムなど
自社製品活用ガイド、比較記事、ノウハウまとめ、便利ツールなど
ユーザーアンケート、ユーザー投稿掲示板、商品レビューなど
疑問解決記事など

失敗パターン②:行き当たりばったりのコンテンツ制作

オウンドメディアの立ち上げ当初、コンテンツとして取り上げたいトピックはたくさんあるかもしれません。しかしそこで勢いに任せた記事更新を続けてしまうと、次のような問題が起こってきます。

  • 数週間~数ヶ月でコンテンツのストックが無くなり、急にペースダウンしてユーザーが離れる
  • 手当たり次第に制作したコンテンツの質やターゲットがバラバラで、メディア全体の評価が高まらない
  • コンテンツ相互の関係が考慮されておらず、検索などで訪問したユーザーもその記事限りで直帰してしまう

オウンドメディアは企業にとって目的を持った情報発信をする場であり、コンテンツの制作には戦略が求められます。
「質の高いコンテンツを提供する準備はあるか? 」「継続的にコンテンツを制作していける見通しはあるか?
」メディアを立ち上げる前に少なくともこの2点についてきちんと検討しておく必要があるでしょう。
当たり前のように感じられるでしょうが、この点を甘くみて失敗してしまうオウンドメディアも決して少なくないのです。

発信すべきは常に「読者が求めているもの」

第一に確認しておかなければならないのは、オウンドメディアでの情報発信は「自分たちの知っていること、話したいこと」を一方的に伝えていくものではないということです。
オウンドメディアはマーケティングの一部であり、そのコンテンツは常に「ユーザーが知りたいこと、ニーズに応えるもの」でなければなりません。

読者が自社の顧客となるまでのカスタマージャーニーの各段階においてどのような状況にあり、どのような情報を求めているのか。どんな情報を提供すればゴールへのステップを進ませることができるのか。そうしたことを踏まえて戦略的に設計されなければならないのです。

世の中には「社長ブログ」として多くの読者を集めているメディアがあります。これを見て「ブログの記事くらいどうとでもかける! 」と思ってしまうのは失敗の素です。
読者は「一企業を率いる社長が日々の生活や社会の動向からどのような情報を受け取り、どう考えているのか」を知りたがっているのであり、「社長個人の趣味やプライベートの出来事」を知りたいわけではありません。そこを履き違えてしまうと、仮に時間をかけたコンテンツであっても「ビジネスの成果を上げる」という目的を達成することは出来ないのです。

コンテンツの安定供給こそメディアの生命線

またこうしたコンテンツを軽視する姿勢は、情報発信の継続性の観点からもリスクを伴います。

オウンドメディア運営、特にその初期段階においてはユーザーを引きつけるためにもコンテンツの更新は定期的に行うことが重要です。
ユーザーが新しいメディアに出会ったとして、記事の最終更新日が3ヶ月も前だったとしたら今後も継続的に見ていきたいと思うでしょうか。あるいは最近更新されていても、コンテンツの量が全体で数本しかなければユーザーが再訪してくれる可能性は低くなってしまうのではないでしょうか。
定期的な更新は初期ユーザーのサイト訪問を習慣化し、アクセスが積み重なることによって検索などからの流入も増えていきます。

メディア開設当初はコンテンツのトピックも豊富にあり、立て続けに更新していくこともできるかもしれません。
しかしネタというものは意識して集めていなければ意外に早くなくなってしまうものです。
更新がなくなればせっかく伸ばしてきたアクセス数は落ち、かと言って更新を継続するために無理にネタを絞り出しても「更新それ自体が目的」のコンテンツはユーザーに見透かされてしまいます。

提供するコンテンツが低品質なものばかりでは、「ユーザーに対して自社の情報を発信し、魅力づけする」というオウンドメディア施策本来の目的は達成できません。
それどころかユーザーからの反発を招き、ブランドの毀損やより直接的な損害につながる恐れすらあります。
一定以上の品質を持ったコンテンツを安定的に供給していくことはメディア運営の生命線だと言えるのです。

コンテンツ制作メソッドの確立とその浸透がメディア運営を安定させる

自社サイトにはどういったユーザーが、どのような情報を求めて来訪しているか。自社の提供するサービスやそれに隣接した領域について、ユーザーはどのようなことを知りたがっているか。
こうした個々のケースに合わせた数十数百にも及ぶカスタマージャーニーを作成し、ユーザーの行動を分析していけば、それに合わせたコンテンツを作ることは必ずしも難しくありません。同じようなテーマであっても切り口を変えることで全く別のセグメントに訴求することができるようにもなるのです。

担当者個人の裁量やセンスだけに基づいたコンテンツ設計から、ある種システマチックにコンテンツを生み出し続けられるような体制への転換。つまりメディアとしての「編集部」の確立が情報発信を安定させメディアを成功に導く鍵になるでしょう。

成功へのヒント②:「編集部」の体制を整え、コンテンツ制作のメソッドを確立する

失敗パターン③:直近で成果を示せず予算減、芽が出る前に撤退の危機

オウンドメディアは長期的な施策です。失敗パターン①でも述べたように、直接的な成果を得られるようになるまではそれなりの時間が必要となります。
経営層や決裁者がこの辺りの事情をわかっていないと、成果が上がっていないことを理由にオウンドメディア施策に対する予算が削られたり、極端な場合にはプロジェクトの中止につながってしまう場合があります。

最終的に大きな果実を得るためには、例えまだ芽も見えていない段階であったとしても、水やりや肥料を欠かすわけには行きません。
ここで短絡的に予算やリソースを絞ってしまえば、メディアは栄養不足を起こし本来のポテンシャルを発揮できないまま弱っていってしまいます。

こうした長期の施策を外部のプレッシャーから守るためにはどうするのが良いのでしょうか。ポイントになるのが「明確なKPIの設定」と「小さな改善と成功の積み重ね」です。

「前進」の証明としてのKPI

施策の最終的な目的が直接的な売上であれブランディングの強化であれ、その達成状況を評価するためのKPIはさまざまな段階で設定することが可能です。

アクセス数(セッション数、PV数)はメディアの目的やタイプがどんなものであれ、常にチェックしておくべき基本的な数値です。アクセス数が増えるほど自社製品・サービスの認知度は高まり、メディアの外においても好影響を生み出すことが期待できます。
コミュニティ型オウンドメディアであれば、登録ユーザー数はプラットフォームとしての裾野の広がりを測る重要な指標です。たとえ現時点で成果につながっていないとしても、強いつながりを持つユーザーの増加は今後の資産になりえます。

長期的な道のりを細分化することで「ゴールまでの道のりは順調である。成果を生み出すことへの下地づくりが進んでいることは、このKPIの推移が示している」と主張できるようになります。
ゴールまでのチェックポイントを定めておくことは自分たちが取るべき行動の指針を定めるためだけでなく、目標に向かって確かに前進しているのだということを第三者に示すためにも有効になるのです。

社内向けに「着実な成功の積み重ね」をアピール

またKPIを始めとした各種の指標をきっちりと計測しておくことで、「実施した施策に対する結果の関係」を示すことも可能になります。

予算が削られてしまうのは、投じた予算がどのような結果につながったのかわからないからです。繰り返し述べてきたように、オウンドメディアは最終的な成果が出るまでに時間がかかる規模の大きい施策であり、小さな改善施策の一つ一つがどのような影響を与えているかを測りにくい部分があります。
しかし適切にKPIを設定することで、そうした施策による「小さな変化」を逃さずキャッチすることができるようになります。これは外部に対し「小さいながらも確実な前進」を示すのに役立つでしょう。着実に「大きな成果」に向けて進んでいることが伝われば、予算の削減も検討しにくくなるはずです。

またこうした細かい情報を逐一測定し分析することは、メディアとしてのコンテンツの質自体を改善していくことにも役立ちます。データを微細に見ていくことはユーザーニーズの分析に繋がり、提供するコンテンツの精度が上がればますます成果を上げやすくなるという好循環が生まれます。
そうなれば最終的な成果に至るまではあと少しだと言えるでしょう。

長期のマネジメントで社内の期待を管理する

いずれにせよ重要なのは「オウンドメディアは長期スパンの施策だという認識を社内で共有する」「適切なKPIを設定し、データに基づきKPIを改善させる施策を実行していくことで予算投入の正当性を示していく」という2点です。

このために必要になってくるのが、担当者による長期的な視点でのプロジェクトのマネジメントです。「最終的なゴールは何なのか」「それが実現するのはいつ頃なのか」「そのために今何をしており、そこでの成果は出ているのか」など、担当者がリーダーシップを持って部署内外に示すことによって、現在取り組むべきことが必要であるという理由も理解してもらえるようになるでしょう。
オウンドメディアは下積みが長いですが、その分大きいリターンが期待できます。
じっくり育てていけるように、そこまでの道のりも明確に描けるようにしておきましょう。

成功へのヒント③:中間目標としてのKPIとその達成計画を定め、プロジェクトの進捗に透明性を確保する

おわりに:明確な戦略と安定した体制がオウンドメディア成功の鍵

企業がオウンドメディア運営で陥りがちな「よくある失敗」3パターンをご紹介いたしました。

企業自身による情報発信の重要性が広く認識されるようなり、オウンドメディアに挑戦する企業も増えてきました。一方で身近になってしまったために、中途半端な知識の人が何となくの気持ちで取り組んで落とし穴にはまってしまう、というケースも多くなっています。

オウンドメディア自体の数も増え相互の競争も激しくなる中、成功のためには次のような総合的な能力が必要です。

  • どんなものが「差別化した、価値あるコンテンツ」なのかを見極める情報編集力
  • 情報をどのような切り口で表現していけばユーザーが「これは自分にとって役立つものだ」と受け取ってもらえるようになるかの流れを整理するマーケティング力
  • コンテンツ自体だけでなく、SNSを含めたプロモーションやSEOを始めとしたサイト制作の技術で情報の広がりをトータルでコントロールできるプロデュース力
  • これらの多方面に渡る施策を活かしていくマネジメント力とそれをバックアップする経営層からの理解

これからオウンドメディアを始めようと思っている人はこれらの失敗パターンを反面教師に、ポイントを抑えたメディア運営を準備してみてください。
すでに取り組んでいていまいち成果が出せていないという人は、自社のオウンドメディアが失敗パターンにはまっていないか今一度確認してみましょう。
自社だけでは手に余ると感じる場合は、オウンドメディア運営にパートナーを求めることも検討してみるとよいでしょう。専門家のノウハウは貴社に足りない部分を補いメディアを発展させる大きな助けとなるはずです。

オウンドメディアのハードルが徐々に高くなっている現在では、あるいは優れたパートナーをいかに選ぶかが成功への一番の鍵になっているといえるかもしれません。

オウンドメディアは成功したときのメリットが大きい非常に魅力的な施策です。戦略的な取り組みを行い、あなたのビジネスを一層拡大させていきましょう!

「成功へのヒントはわかったけど、自社だけできちんと実行できるかは不安」そんなお客様に向けて、アジタスでは「オウンドメディア制作・運用」サービスを提供しています。

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